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株式を移転する

2014年 3月 23日
事業承継

同族会社の株式は通常売買されておらず、取引相場いわゆる時価がありません。

そこで国が定めた「相続税評価額」という基準を使って株式の金額を決めます。この基準に基づいて計算した株価が高ければ、売買代金が多額になったり、贈与税額の負担が大きくなってしまいます。

暦年課税贈与の活用

毎年、株価を算定しながら負担できる贈与税額の範囲内で贈与を繰返していく方法です。
そのため漠然と贈与するのではなく、意図的に株価を下げるよう株価算定で重視される項目「配当」「当期利益」「内部留保(過去からたまっている利益)」を減らす努力をしましょう。

配当を出さず、内部留保を役員賞与で流出させるなどするのは可能でしょうが、利益を出さないというのは営利目的で活動している企業としては、矛盾した努力になってしまいます。

本業では利益を出しながら、値下がりして含み損のある不動産や有価証券を売却するなどし、不良資産の処分をかねた利益の圧縮を図りましょう。

相続時精算課税の活用

株価が毎年上昇し、後になればなるほど評価が高くなる場合には相続時精算課税が適しています。
相続時精算課税は相続が発生した場合に生前贈与された財産を合算して相続税を計算するのですが、合算する金額は贈与時の評価額ですから、会社の業績が右肩上がりなら早めに精算課税贈与を行うのが得策です。

特に直前期に突発的な事象で大きく損が出て(多額の役員退職金を支払ったなど)株価が一時的に低く評価されているのであれば、基礎控除の枠にとらわれず可能な限り贈与すべきでしょう。

後継者に売却する

事業承継暦年課税贈与は税額が最大で50%かかるため、後継者の税負担が大きくなるのであれば売却するのも一つの方法です。

譲渡した場合、売却益(値上がり益)の20%が所得税として、売主である現経営者に税負担が生じますが、現経営者と後継者が親族であれば、二人合わせた税負担を考えてどちらが有利か判断すべきでしょう。

特に現経営者が上場株等の取引をして損を出していた場合、売却益と相殺できますので税負担はさらに少なくすみます。